ルイス・ハミルトン(マクラーレン)は、“クラッシュゲート”という事実があったせいで、自身がワールドチャンピオンに輝いた価値はないという主張に反論した。
シンガポールGPまで24歳になる2008年王者のハミルトンにポイントの面で、フェリペ・マッサ(フェラーリ)はほとんど同点だった。ネルソン・ピケJr.(元ルノー)のねつ造されたクラッシュが引き金となり、セーフティカーが導入され、それからフェラーリによる有名なピットストップ(給油ホースをつけたままピットレーンを走行したこと)が順調にいかなかったことで、マッサのレースは台無しになった。
F1初のナイトレースで圧倒的な強さでポールポジションを獲得し、ピケJr.のクラッシュが起きるまでは最初のスティントで大きくハミルトンを引き離していたマッサは、結局、1ポイント差でドライバーズ選手権を逃している。
それゆえに、ルノーが不正を行っていなければ、マッサがワールドチャンピオンになっていたとの主張があるのだ。
しかし、ハミルトンはイギリスの『News of the World(ニュース・オブ・ザ・ワールド)紙に、「僕のワールドチャンピオンには価値があるよ。僕はカーナンバー1を手にすることができたし、それにふさわしいとも思っている」と述べている。
シンガポールへ行くまではハミルトンはマッサに1ポイントの差をつけていたが、マッサのトラブルが生じてからは、残り3戦で7ポイントの差をつけることができた。
しかしハミルトンは、シンガポールでは優勝するつもりはなかったと主張。
「選手権をリードしているときは、追いかけているときと違う考え方になるんだ。残りのレースの選手権についてだけ考えていたし、タイトルを獲得するために必要なポイントを取ることだけしか頭になかったよ」
「もし優勝が必要だったら、狙っていただろうね」
「選手権を取ることだけを目標にドライブしていたから、あまりリスクを負う気はなかった。表彰台に上がれたら満足だったんだ」
「去年起きたことで、ペナルティーが僕のポイントに影響した。それでも僕はベルギーで勝てたと思っている。あれは僕のレースだったと思うよ」と加えたハミルトンは、スパ・フランコルシャンでのレース終盤について触れていた。ハミルトンが優勝したものの、シケインをカットしたという理由で、のちに優勝はマッサのものとなっている。