学期末のような雰囲気になっていたヤス・マリーナ・サーキットのパドックには、ウェディング・ベルの音が響いていた。
最終戦が終わった直後のピットレーンでは、ブラウンGPのメカニックが次のような言葉が書かれたピットボードを高く掲げていた。
「ファトナ、結婚しよう!」
そしてレース後の記者会見では、いたずら好きなセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、新チャンピオンのジェンソン・バトン(ブラウンGP)に対し、バトンが結婚する予定だとのうわさを聞いたと語りかけた。
「まあ、メディアはいろんなことを書くからね。その話はもういいよセブ(ベッテルの愛称)」バトンは顔を赤くしながらこう答えていた。
するとベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーもこれに加わり、すでにバトンから結婚式の招待状を受け取ったとジョークを飛ばした。
「次の質問!」とかわしたバトンだったが、今シーズンは多くのグランプリにガールフレンドの道端ジェシカさんを連れてきている。
道端さんは6月、次のように語っていた。
「もしジェンソンが11月にタイトルを獲ったら、盛大にお祝いするでしょうし、彼はひざまずく(プロポーズする)でしょうね」
1月で30歳になるバトンは、こう語っている。
「今年は結婚しないよ。プライベートにしておくべきこともあると思うよ。特にこれはそうだね。この話はもう終わり」