”クラッシュゲート”が21日(月)に終結したことを受け、ネルソン・ピケJr.はF1キャリアを再開したいと語っている。
ピケJr.は2008年のシンガポールGPで故意にクラッシュしたことを認め、自身を解雇したフラビオ・ブリアトーレ(元ルノー/マネジングディレクター)とパット・シモンズ(元ルノー/エンジニアリング部門エグゼクティブディレクター)に指示されたことだと告発していた。しかしピケJr.本人は、何の処罰も受けていない。
FIA(国際自動車連盟)から免責を与えられていたため、ピケJr.が新しい所属先を探すことは可能である。だが、ピケJr.はシートを獲得できないとする意見の方が多いようだ。
「残念なことだけど、誰が僕と契約しようとする?」イギリスの解説者であるジェームス・アレンは、ピケJr.のふりをしながら、このように語っている。
またアレンは、ピケJr.がパリでの公聴会後に発表した声明にもふれていた。ピケJr.はこの声明の中で、今回の件を「心底」後悔しており、F1でまたレースすることを望んでいると明かしていた。
「ゼロから自分のキャリアを始めなきゃいけないと思っている。ルノーでの僕がどれだけ抑圧されていたかチームが理解してくれて、F3やGP2で僕が見せていたようなパフォーマンスを発揮するチャンスを与えてくれること。僕が望めるのはそれだけだよ」
だが、もし元ドライバーのマーティン・ブランドルがチームオーナーだったとしたら、ピケJr.がすぐに許されることはなかっただろう。
「ピケ坊や(ピケJr.)には、本当に失望した。パドックでは、多くの者が同じ意見だ」ブランドルは『Mirror(ミラー)』紙へ、このように語った。
ブランドルは、ピケJr.が再びF1に乗ることはないとして、次のように加えている。
「どうやって彼をスポンサーへ売り込むのだ?」
「彼はルノーで成績を残さなかった。速さが足りなかったんだよ。それこそ彼が解雇された原因であり、彼がF1へ爆弾を投げ入れた理由だ」
ピケJr.がブリアトーレとシモンズに対して、”ノー”とさえ言っていれば今回の件は起きなかっただけに、ピケJr.が何の処罰も受けなかったことも論争の的となっている。
「正直に言って、ピケJr.が深刻な問題を起こしたことを考えれば、ブリアトーレへの処罰は厳しいものであり、危険な前例だと思う」
「なぜこのような処分になったのか理解できない」スペインのモータースポーツ責任者であるカルロス・グラシアは、『AS』紙へこのように語った。
FIAの会長選挙へ立候補しているアリ・バタネンもこの意見に賛成している。
「免責というシステムは、非常に危険なものだ。みんな、自分の行動の結果に向き合うべきだと思う。最終的に決断したのは彼であり、彼はその責任から逃れることはできない」