フェラーリの2009年イタリアGP総括

2009年09月14日(月)Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加
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53周で戦われたイタリアGP決勝で、キミ・ライコネンは3位を獲得。とはいえ、跳ね馬の母国レースだった今回、表彰台獲得はレース終了ギリギリまで危うかった。チームメートのジャンカルロ・フィジケラは惜しくもポイント獲得ならず9位でフィニッシュした。レースはブラウンGPの2台がトップを独占、ルーベンス・バリチェロが今季2勝目を上げる一方、僚友のジェンソン・バトンが2位にくいこんだ。今季も残り4戦、フェラーリはコンストラクターズ選手権でマクラーレンに15点差をつけ、3位を守っている。

モンツァのスタンドは例年どおり見事に赤く染まり、スタート前ともなると、熱心なティフォシたちが旗や帽子など、とにかく手にできるものは何でも振ってフェラーリを応援していた。ライコネンは2列目内側から、フィジケラはフェラーリでのレースデビューを7列目14番手からスタートした。スタートシグナルが消えると、ライコネンはすかさずポールポジションのルイス・ハミルトン(マクラーレン)をとらえにかかり、まずはエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)を攻略、1周目で2番手に浮上した。フィジケラも上々の出だしで、3つポジションを上げ11番手へ。マーク・ウェバー(レッドブル)はロバート・クビサ(BMWザウバー)と絡んでスピン、リタイアを喫した。

2周を終えて順位はハミルトン、ライコネン、スーティル、バリチェロ、バトン、ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)、ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(ルノー)、クビサ、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)。その後にフィジケラがつき、次いでニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)、ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)、中嶋一貴(ウィリアムズ)、ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)、ティモ・グロック(トヨタ)、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)、ピットスタートのハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)、そしてロメ・グロジャン(ルノー)が後方集団を形成する。

4周目、事故のダメージを修復するためピットに滑りこんだロズベルグは最下位に後退。6周目を終えてフィジケラはハイドフェルドに11番手を明け渡し、ひとつポジションを落とした。2番手のライコネンは3.5秒前方のトップ、ハミルトンを追う。3番手スーティルは1秒後方だ。8周目、黒地にオレンジの旗がクビサに提示される。フロントウイングが壊れたままの走行は他車の危険となるため、ピットに入ってマシンを修復しろという意味だ。10周までにスーティルは、ライコネンをコンマ5秒差まで追い詰めるが、その3周後、逆にギャップはコンマ7秒に広がる。クビサのピットイン後、フィジケラは11番手を取り戻した。最初に通常のピットインを行ったのは14周目のハミルトンだ。これでライコネンは先頭に躍り出る。ハミルトンは5番手でレース復帰。スーティルは17周目にピットへ、その1周後にライコネンが入る。24周目、レースをリードするのは2台のブラウンGP。ブラウンGP勢はまだ給油ストップを終えていない。先頭はバリチェロ、続いてバトン。3番手はハミルトンで、さらにライコネン、アロンソ、スーティルが後を追う。フィジケラは10番手だ。

ここへきて興味の中心は、ブラウンGP勢のような1度しかピットインしないマシンと、ライコネンやハミルトンのように2度給油ストップを行うマシンの差だ。フォース・インディアで実戦に復帰したリウッツィが、トランスミッションのトラブルでリタイア。6番手アロンソは26周目にピットイン。ガソリンを積んで、最後まで走り切る勢いだ。その1周後にコバライネンがピットへ。この時点で4番手のライコネンは、ハミルトンから4.7秒離されている。一連のピットストップでギャップを広げられたのだ。スーティルはライコネンから1.4秒後方だ。まだピットを終えていないフィジケラは7番手まで浮上。フィジケラは30周目にこのレース唯一の給油ストップを済ませて、13番手で戦列に戻った。

トップのハミルトンは34周目に2回目で最後のピットストップを行うが、コース復帰してみると、先行していたのは2台のブラウンGPだった。これでトップは再びライコネンに。コンマ9秒後方にはスーティルがいる。37周目、ライコネンとスーティルが同じタイミングでピットへ。再スタートで若干の時間をロスしたライコネンだったが、スーティルはタイヤ交換のクルーに衝突し、片方のサイドミラーを折ってしまった。トップはバリチェロ、次いでバトンと、再びブラウンGPが1-2を形成。3番手にハミルトン、7.3秒後ろの4番手はライコネン。この週末、表彰台は難しいのではと話していたライコネンだが、バリチェロとバトンは給油ストップ1回のみで完走できるだけの燃料を積んでいるため、その危惧(きぐ)は現実となりつつあった。表彰台の可能性が遠のいたばかりでなく、残り10周で問題となったのは、コンマ6秒後ろでピッタリとライコネンを追いかけるスーティルの存在だ。フィジケラは、ベッテルの6.3秒後方で10番手を走っている。

ここまでくればもう順位は変わらないだろうと思われた矢先の最終ラップ、なんとハミルトンがスピンしてマシンを大破。これでライコネンの3位表彰台は確実なものとなった。フィジケラは、もう少しでポイント獲得という9位でゴール。事故の影響で、最後はセーフティカー先導でのチェッカーとなった。他に得点したのは4位のスーティル、以下アロンソ、コバライネン、ハイドフェルド、ベッテルだった。

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