スクーデリア・フェラーリが新しいシミュレーターを発表した。
この新シミュレーターを設置するために作られた建物内で行われた発表会には、フェラーリCEOのアメデオ・フェリーサ、そしてスクーデリアのチーム代表ステファノ・ドメニカリが出席していた。
ステファノ・ドメニカリ
「われわれにとっては重要な日となった。このプロジェクトの完成により、現代のF1で重要な要素となっている挑戦へ、自信を持って挑むことができる。これでフェラーリは、この技術の最先端に立つことができた」
「また、これにかかわった全員の努力により、2年間にわたって続いていたこのように複雑なプロジェクトが、予定通りに終わったことをうれしく思っている」
このシミュレーターで初めの数周を走ったのは、アンドレア・ベルトリーニだった。
ベルトリーニは、FIATのリサーチ・センターでシミュレーターに取り組んだことでこの数年間に多くの経験を積み、今回のプロジェクトでは跳ね馬のエンジニアと作業を進めていた。
ムーグの技術支援を得たフェラーリのシミュレーターは、アルミニウムとコンポジットによって製作され、コックピットや映像と音を作り出す装置が搭載されている。
プラットホームの重量は約2トンであり、それぞれが500kgある電子制御式の作動装置が取り付けられる。この装置全体は特別設計された重量200トンの基礎に設置されている。
この装置を制御するのは、合計で60GB以上のRAMを搭載した10台のマルチプロセッサ。1日に約5GBのデータを作ることができる。
音響システムとしては、3,500Wの7.1chドルビー・サラウンドシステムが搭載される。この搭載には10km以上のケーブルが必要になり、出力は130kw。
この装置は、コントロール・ルームを含めて、180平方メートルで2階建ての建物に設置されている。プラットホームの表面は、幅が8m、長さが8m、高さは6mある。ドライバーは、合計で180°の視野がある5つのディスプレーの前に座ることになる。