29日(火)、東京都内でウィリアムズのスポンサー『RBS(The Royal Bank of Scotland ロイヤルバンク・オブ・スコットランド)』が、“NEXT Blue RBS F1 カクテル:壮行会およびチャリティーオークション”を開催した。
数百名の招待客が来場。F1日本GPに参戦する中嶋のために熱いメッセージを書く応援フラッグが用意された。“スズカ表彰台! がんばれ”、“いくのは今だ!”、“Good Luck”、“見せろ、日本魂!”などたくさんのメッセージが寄せられた。近代的な建物が、間接照明とウィリアムズのカラーであるブルーの照明で照らされ、大人の雰囲気をかもし出している。さらに、会場ではフラメンコが披露されたり、ジャズの生演奏で招待客を楽しませていた。RBSのロゴやウィリアムズの走行シーンが、コンクリートの壁に映し出されている。
28日(月)の夜にシンガポールから帰国した中嶋がトークショーに参加。まずは今シーズンを振り返った。「結果の面ではすごく残念なシーズンになっていてしまい厳しいレースが続いていますが、自分自身としては去年から比べて成長できていると思いますし、内容的にはいい走りができていると思います。自分としてはポジティブにとらえており、今週末の鈴鹿こそいい結果が出せるんじゃないかなと思います」と語った。中嶋にとってF1で鈴鹿を走るのは今回が初めてだが、鈴鹿について「4年ぶりに鈴鹿で走ります。鈴鹿サーキットは小さいころからレースをしてきた場所ですし、レースを数多く見てきた場所でもあります。自分を育ててくれたサーキットで、F1ドライバーとしてレースをすることは特別な思いがあります」と語り、レースを楽しみにしているようだ。最後に、鈴鹿での目標を聞かれると「ポイントを取ることが一番の目標です。1から10点まであるので、できるだけたくさんのポイントを取っていい結果を残して、日本のファンの皆さんに喜んでもらえるようなレースをしたいです。Q3進出が最低限の目標ですね」と意気込みを語った。
今回のチャリティーオークションは、全額タイラー基金に寄付される。そのタイラー基金を設立したキム・フェリスさんが登壇し、あいさつを行った。タイラー基金は、2年間に及ぶ白血病との闘いの末、日本の国立成育医療センターで亡くなったタイラー・フェリスにちなんで、タイラーの両親マークさんとキムさんによって設立された。母親のキムさんは「日本での医療は素晴らしいものだが、日本の病院で入院している子どもの生活はたいくつであり、生活は決められストレスがたまる。子どもたちは、普通の子どものように生活したいことを望んでいる。私は毎日病院に通いたくさんのことを学びました」と語った。数年前にタイラー君が亡くなったときにキムさんは、2つのことを決心しとのこと。子どもたちの生活に力を与えること、病院に入院している子どもたちの生活の質を高める。そして患者の家族をサポートすることだ。病院の近くに小児がんと闘う子どもたちや患者の家族をサポートする宿泊、保育施設「シャイン・オン!ハウス」をつくったキムさんは、さらに来年、セラピードックプログラムを静岡の子ども病院に導入することを明らかにした。
いよいよチャリティーオークションが開始され、まずはサイン入りのキャップからだ。1万円からスタートしたキャップには続々と声がかけられ、結局2万5000円で落札された。ロズベルグと中嶋のサインが入ったチームのポロシャツやフリースジャケットが次々に落札されていく。急きょ、F1日本GP観戦チケットがペアで追加されている。最後のアイテムは中嶋のレプリカ・ヘルメットだ。10万円からスタートしたヘルメットは、10万5000円、12万円と5000円単位で上昇、20万円の声がかかると会場からは拍手が沸き起こった。しかし、そこでオークションは終わらなかった。20万5000円の声が上がり、男性2人のデッドヒートが続く。ヘルメットは、結局21万円で落札され、中嶋はその場でサインを入れた。落札したジェームズさんは、「タイラー基金さんへと、入れて下さい」と語り、落札したヘルメットをタイラー基金へ寄付するようだ。
今回チャリティーオークションで落札された金額は39万円、さらに会場に設置された寄付金箱とRBSからの100万円を合わせ、総額141万7843円がタイラー基金に送られた。