夜もふけたシンガポールのトラックで、キミ・ライコネンがFIA(国際自動車連盟)の公式記者会見に出席した。まず夜にドライブすることを質問されると、ライコネンはいつもの調子で、何も問題はないと答えていた。
「照明のもとで夜に走るのも大丈夫だよ。他のサーキットと変わらないし、昼間に走っているのと同じような感じなんだ。まぶしすぎると思ったら、色の濃いバイザーをつければ大丈夫だしね!」
ライコネンは、昨年のシンガポールGPをクラッシュで終えていたが、このコースを気に入っているようだ。
「コーナーがたくさんあって、全部は覚えてないけど、それでこそ楽しくなるよね。挑戦しがいがあるし、いいトラックだよ。バンプがひどかったけど、それも直されたって聞いている。もしうまく改修されていれば、かなり走りやすくなっているんじゃないかな」
4戦連続で表彰台を獲得したことで、ライコネンは最近のレースで最も安定したドライバーになっている。しかしライコネンは、いつものように、レースに対しては慎重な姿勢を崩していない。
「他のレースと同じことだよ。フリー走行が終わるまで、どうなるか分からない。フリー走行が終わってから、自分たちの計画を立てて、週末を進めていくことができるんだ。もしそれがうまくいけば、トップ5に入るチャンスもあると思う。モナコやバレンシアで僕たちは良かったから、ここでもいいかもね。でも、周りが進化している中で、僕たちはハンガリーから新パーツを投入していない。大きな改良はなくて、細かい改良ばかりだけど、それでもいい結果を残せたし、ここでもいい結果を残したい。まあ、明日(25日/金)まで待ってみようよ。そうすればもっと分かってくるはずだからね」
悲しいことに、最近のF1での話題は、昨年のシンガポールGPにおけるネルソン・ピケJr.のクラッシュに関連した、ルノーの一件が独占していた。
「こういった事はどのスポーツでもあることだし、もしF1への信用を失った人がいたとしたら、その人は今回の件が起きる前から信用できていなかったんだと思う。スポーツを含めて、人生の中ではこんなことも起こるものだよ。この件を忘れて、レースに戻りたいね」
このように語ったライコネンは、ドライバーが故意にクラッシュすることに対しては批判的な意見を語った。
「事故は起こるものだけど、わざと事故を起こすドライバーなんて多くないと思う。危険なスポーツだし、もし何か間違いが起これば、たとえスピードが低くても、ひどいケガをする可能性がある。僕たちは、そういったリスクを冒しているんだよ」