モナコでのモータースポーツ・ビジネス・フォーラムにおいて、F1は「新しいメディア」を受け入れるべきだという意見があった。
テクノロジー企業『シスコ』のビジネス開発責任者であるネビル・ウィーラーは、急速に時代遅れなものとなってきているテレビ放映というスタイルから脱却することに、F1の商業権保持者たちが「非常に苦しんでいる」と語った。
「変化のスピードは非常に速いものなので、古い方法という足かせを壊さない限り、すぐに後れを取ってしまうはずだ。そして、熱心なファンたちがこのコンテンツ(F1)を他の方法で視聴する方法を見つけるだろう」というウィーラーの発言が『News York Times(ニューヨーク・タイムズ)』紙のコラムで掲載されている。
ウィーラーはさらに、「賢い組織」は「自分の庭を守るような」やり方をせずに、「新しいメディア」によってもたらされる「新しいチャンスを受け入れている」と語った。
「世界中の視聴者へスポーツを配信する方法として、新しいメディアが重要な役割を果たせるようにしなければならない」
「それを実現できなければ、広告主やスポンサー、サプライヤー、そしてチームは、希望しているような形で投資の成果を得ることができない」とウィーラーは加えている。
ルノー買収への興味を認めているジェラール・ロペスは、「20年前のテレビ視聴の方法に基づいて」現在のテレビ放映契約が結ばれていると語った。
インターネットのコミュニケーション・サービス、スカイプの設立にかかわっていたロペスは、次のように加えている。
「われわれは、“フリーミアム(Freemium)”と呼ばれるものに大きな関心を抱いている」
「無料(free/フリー)と付加価値(premium/プレミアム)を合わせた造語だ。無料のコンテンツをできるだけ多くの人に提供し、それ以上の付加価値のあるコンテンツを購入したがるようにすればいい」
F1の公式技術パートナーである『LG』のグローバル・スポンサー責任者アンドリュー・バレットも、商業権保持者たちはオンライン世代を拒絶するのではなく、受け入れるべきだとの意見に賛成している。
「MTV世代は、今までとは違う方法でテレビを見ている。だが放映する側は、テレビでもオンラインでもこういった視聴者を逃さないために、進歩する必要がある」
「またF1は、HD(ハイビジョン)で世界へ配信されていない数少ないプロスポーツでもある」とバレットは『Financial Times(ファイナンシャル・タイムズ)』紙へ語った。