メルセデス・ベンツ関係者の中にもミハエル・シューマッハのF1復帰を非難する意見がある。
メルセデス・ベンツの親会社ダイムラーの監査役会メンバー、ウヴェ・ヴェルナーは、シューマッハへ年間700万ユーロ(約9億2,000万円)を支払うという決定について、「正当化することが難しいもの」だと語った。
車の販売数が危機的な状況になっている中、メルセデスの役員会が決定した今回の決定は「多くの同僚にとって理解しがたいもの」だとヴェルナーは『Frankfurter Rundschau(フランクフルター・ルントシャウ)』紙へ話し、さらに続けた。
「メルセデスがF1から撤退したほうが、スタッフは理解を示すことができただろう」
これに対しメルセデスのモータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグは、シューマッハとの契約によってメルセデスのイメージが向上し、市販車の売り上げにも貢献すると語っている。
「どのように投資していけばいいのかは、きちんと分かっているつもりだ」とハウグは『ZDF』テレビへ語った。
また、シューマッハが14年間を過ごしたフェラーリの地元、イタリアにもシューマッハ復帰を歓迎しない声がある。
イタリアの新聞がシューマッハの移籍を裏切りの象徴として報じていたが、シューマッハは公開書簡を書き、熱狂的なフェラーリファン“ティフォシ”へ説明と、感謝の気持ちを語った。
フェラーリのスポークスマンであるルカ・コラジャンニは、『ANSA』通信へ次のように語っていた。
「(シューマッハについては)モンテゼモーロ(ルカ・ディ・モンテゼモーロ)会長と同じことを言っておく。幸運を祈る。これから彼は、われわれのライバルだ。われわれは、全力でライバルを倒しにいく」