元F1ドライバーであるハンス・ヨアヒム・シュトックは17日(木)、クラッシュゲート事件には「言葉を失った」と語り、前例のないほどの厳罰を求めた。
「もしメルセデスがうそをついたとして1億ドル(当時約110億円)を払ったのなら、ルノーは今回の件に対して5億ドル(約455億円)払うべきだ」とシュトックは『Bild(ビルト)』紙に語っている。
その一方でイギリスのラジオ局『BBC』では、元フェラーリドライバーのエディ・アーバインが、自身の現役時代に不正は一般的なことだったと語り、世界モータースポーツ評議会は重要チームであるルノーを追い出すようなことをしないだろうと語った。
「ルノーを撤退させないため、罰金は少なくなるだろう。厳しい法廷にはならないと思うよ」とアーバインは加えている。
だがニキ・ラウダは、その長いキャリアの中でも、こんなにも悪質な行為は見たことがないとし、フラビオ・ブリアトーレ(元ルノー/マネジングディレクター)を懐かしむことはないと語った。
「モンツァでフラビオが、当然のようにうそを語っていたことには驚かされる」ラウダは『Bild(ビルト)』紙にこのように話した。
ラウダはさらに、『Daily Mail(デイリー・メール)』紙のコラムで次のように書いている。
「このスポーツの信用を回復するため、FIA(国際自動車連盟)はルノーを厳しく罰するべきだ」
巨額の罰金や、F1からの追放が科された場合、F1の利益にはならないとの意見もある。グリッドから、また1つ有名な名が消えることになるためだ。
ルノーのCOOであるパトリック・ペラタは、今回の疑惑がルノーのF1撤退につながるとの憶測について、『RTL』へ次のように語った。
「今日話し合うことではない。落ち着いて対処する」
またペラタは、ブリアトーレがレース結果を左右させたことの「道義的責任」を取ったとし、ブリアトーレは解雇されたのではなく、「辞職した」としている。
バーニー・エクレストンは当初、ブリアトーレのことを残念に思うと語っていた。しかし、『Bild(ビルト)』紙に対しては、ブリアトーレやパット・シモンズ(元エンジニアリング部門エグゼクティブディレクター)を離脱させたルノーの決断について、「正しい行動」だったと語っている。