ウィリアムズの2009年日本GPレビュー

2009年10月07日(水)Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加
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AT&Tウィリアムズは、シンガポールで逃したチャンスを取り戻ることを決意しながら日本へと向かい、その決意はニコ・ロズベルグが鈴鹿サーキットで5位を獲得したことで報われた。

事前に予想されていたとおり、2日(金)のセッションは雨の影響を受け、各チームとも最小限の時間したコースへ出なかった。実際に、ロズベルグは28周、中嶋一貴は26周しか走行しおらず、通常の金曜日から比べると約半分の周回数であった。このような天候の中チームは、チームはプライムタイヤ(ハード側)とオプションタイヤ(ソフト側)の比較や、セットアップ評価、空力のチェックを完了しなかった。両ドライバーともクルマには自信を持っており、ロズベルグは中団でセッションを終え、中嶋は1回目のセッションでは2番手、2回目のセッションでは5番手になっていた。

3日(土)は予報通りの晴れとなり、1日を通じてドライのコンディションが続き、トラック上での作業を進めやすい状態となった。しかし予選では、ミスを許さないコースとしての鈴鹿の一面が顕著になった。1時間の間に5人ものドライバーが犠牲となり、赤旗が3回出されていた。Q2では赤旗が2回出され、これによってロズベルグの走行スケジュールが影響を受けてしまい、ロズベルグはトップ10に入ることができなかった。中嶋にとっては失意の予選となった。FW31に十分なグリップを見いだせなかったため、Q1で脱落し17番手となった。Q2でハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)が事故を起こしていた際に降られていたイエローフラッグを無視したとして、トップ10内の複数のドライバーにペナルティーが科されたため、チームの両ドライバーのグリッドが繰り上がった。ロズベルグは4グリッド上がり、中嶋は2グリッド上がっていた。

車両重量が685kg(グリッド上で最も重いグループだった)だったものの、ロズベルグは今回も見事なスタートを決め、ポジションを守ることに成功した。さらに、1回目のピットストップを行った22周目までには、ポジションを2つ上げていた。ロズベルグは5番手でレース中盤を走り、アルグエルスアリの事故によってセーフティカーが出動した際に最後のピットストップを行った。ロズベルグは、そのまま5番手で隊列へ復帰し、チェッカーフラッグまでポジションを守り続けていた。レース後、セーフティカー出動中のロズベルグのセクタータイムがスチュワードによって審議された。しかしスチュワードは、ロズベルグのダッシュボードには燃料の警告が自動的に表示されていたため、セーフティカー導入時のラップタイムの差を見られなかったことを認めている。

母国のファンの前でポイントを獲得するという中嶋の望みは叶わなかった。1ストップ戦略はトラフィックの影響を受け、前をふさがれた状態で車両重量が最も重かったこともあり、15番手というスタート時のポジションを上げることができなかった。

サム・マイケル(テクニカルディレクターのQ&A
Q:金曜が雨だったことは、予選と決勝へ向けた準備にどれほどの影響を与えましたか?
サム・マイケル(以下、マイケル):かなり大きな影響があった。だがそれは、全員にとって同じことだ。われわれは日本へ新しいパーツを持ち込んでおり、試してみたいセットアップもあった。なので、時間が限られていたんだ。金曜のようにトラック上での時間を大量に失ってしまうと、もう1度優先順を変えなければならず、必然的に作業リストから外れる項目もある。

Q:チームが最後に鈴鹿で戦った2006年の技術的データは役に立ちましたか?
マイケル:多少は役に立ったが、少しだけだったよ! 2006年の時とはクルマが大きく変わっている。今はタイヤのサプライヤーが1社で、スリックになっている。空力も完全に変わっており、今でも使えるデータは少ない。

Q:スパでのペースを考えると、鈴鹿でのFW31は予想以上に競争力が高かったですか?
マイケル:鈴鹿はスパとは違い、高いダウンフォースが必要になる。日本では第1スティントで力強さを見せられた。そのために競争力を発揮することができ、ポイントを獲得することができた。

Q:Q2での2回の赤旗は、ニコの予選にどのような影響を与えましたか?
マイケル:あのときはプライムタイヤに集中していたので、影響は大きかったと思う。プライムタイヤでは、数周が必要になるためだ。セッションのタイムが短くなったとき、自分たちの走行、つまりは予選が影響を受けるんだよ。

Q:ニコのパフォーマンスには満足されていますか
マイケル:満足している。彼は良いレースを展開していた。

Q:一貴は母国でのレースを15位で終えました。もし戦略が違っていれば、もっと上のポジションでフィニッシュできていましたか?
マイケル:15番手からのスタートでは、厳しくなるものだ。彼のポジションに影響するような何かが起こることを期待して1ストップ戦略を採用したが、結局はうまくいかなかった。

Q:週末の間、どちらかのクルマにタイヤの問題は起きましたか?
マイケル:いいや。タイヤの問題は起きなかった。

Q:インテルラゴスでのFW31は、どのようなパフォーマンスを見せると予想されていますか?
マイケル:競争力は高いと思う。シーズンも終わりに近づいているので、できるだけ多くのポイントを獲得する必要がある。ブラジルでそれを達成するチャンスは大きい。

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