パナソニック・トヨタ・レーシングはマリーナベイ市街地サーキットで26日(土)夜、シンガポールGPの予選を行い、ティモ・グロックがトップ8入りを果たした。
現地時間の午後10時、気温31度の中で始まったF1唯一の夜間の予選で、ヤルノ・トゥルーリとグロックは改良したTF109のステアリングを握り、シンガポールの市街地を駆け抜けた。両ドライバーは、予選第1セッションをブリヂストンのソフトタイヤで走り始め、セッション終盤に、スーパーソフトタイヤに履き替え、アタックをかけた。午前中のフリー走行で、排気系のトラブルのため時間をロスしたものの、第1セッションの第3セクターにおける最速タイムを記録したトゥルーリと、そのトゥルーリのすぐ後方につけたグロックは、ともに第2セッションに駒を進めた。
第2セッションで再びスーパーソフトタイヤを装着したトゥルーリは、グリップ不足に苦しみ、トップ10入りを逃した。一方、グロックは、周回を重ねるごとに力強い走行をし、トップ10入りを果たした。
予選第3セッションでもグロックは、スーパーソフトタイヤを履き、最後まで、トップ6内グリッドでの決勝スタートの獲得を目指し戦ったが、セッション終了間際に赤旗が出され、最後のアタックをかけられず、7番手にとどまった。(ルーベンス・バリチェロのペナルティーにより、6番手グリッドに繰り上がり)
ティモ・グロック:カー・ナンバー10 シャシー:TF109/05
フリー走行3回目:8番手 1分48秒673(トップと1.041秒差)17周
予選第1セッション:15番手 1分47秒770(トップと0.793秒差)7周
予選第2セッション:5番手 1分46秒707(トップと0.510秒差)6周
予選第3セッション:7番手 1分49秒180(トップと1.289秒差)5周
グリッド:6番手(暫定)
「再びトップ10入りすることができて、満足している。シンガポールのトラックは好きで、ここでのクルマのセットアップには自信を持つことができる。概して、今日のセッションは上手く行った。特に、第1セッションより1秒も速くなった第2セッションは良かった。クルマは非常に好調で、第3セッションに進むことができてうれしかった。第3セッションでもラップタイムは良かったが、使用済のスーパーソフトタイヤでの走行だった。そのため、新しいスーパーソフトタイヤを履いた最後のアタックを楽しみにしていたが、赤旗で台無しになった。アタックをかけていたら、ラップタイムを縮められ、ポジションを上げられたと思う。しかし、結局、決勝では6番グリッドからスタートすることになったので、明日に期待できる。渋滞に巻き込まれることなく最初のラップを走行し、トップ6でフィニッシュしたい。できる限りポイントを多く稼ぎたい」
ヤルノ・トゥルーリ:カー・ナンバー9 シャシー:TF109/06
フリー走行3回目:10番手 1分48秒757(トップと1.125秒差)12周
予選第1セッション:13番手 1分47秒690(トップと0.713秒差)7周
予選第2セッション:15番手 1分47秒413(トップと1.216秒差)6周
グリッド:15番手(暫定)
「今日の最大の課題はグリップ不足。トラックの状況は向上したようだが、ラップタイムを昨日から伸ばすことができなかった。ティモの走行は力強かったので、私のグリップ不足の理由はよく分からないが、ただグリップが全く感じられなかった。クルマ本来の調子を引き出せず、残念ながら、今日は上手く結果につなげることができなかった。15番グリッドからスタートしてポイントを獲得するのは容易いことではないが、明日の決勝では何が起きるか分からないので、精一杯頑張る」
パスカル・バセロン(シャシー部門シニア・ゼネラル・マネジャー)
「前戦よりも、ここシンガポールでは力強い戦いができると期待していたので、2台揃ってトップ10入りを果たすことができず残念だ。ティモは良い仕事をして、第1セッション、第2セッションを通過してくれた。ティモは新しいスーパーソフトタイヤを最終アタックで使うことができれば、予選結果をもっと上げられたかもしれないが、第3セッションが赤旗のため終了時間より早く終わり、そのチャンスがなかったため、終わってみれば、少しフラストレーションが溜まる結果となった。ティモの目標は、より多くのポイントを挙げフィニッシュすることだ。ヤルノについては、苦しんだグリップ不足の問題を分析する必要があり、決勝でよりポジションを上げるためにどのような戦略をとれるか考えたい」
新居章年(シャシー部門技術コーディネーション担当ディレクター)
「赤旗で中途半端な形で予選が終了したこともあり、すっきりしないが、ティモが余裕を持って最終予選に進んでくれたことで、クルマの仕上がりは悪くないことが確認できた。明日の決勝では、ティモは表彰台争いに絡むことを、ヤルノはポイント圏内へのチャレンジを目標に頑張りたい」
(トヨタ・プレスリリース)