トヨタの2009年シンガポールGPレビュー

2009年10月01日(木)Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加
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ティモ・グロックQ&A
2位入賞おめでとうございます。どんな気持ちでしたか?
「2位は素晴らしい結果だったよ。特に、1年を通じて一生懸命仕事をしてきたチーム全体にとってもすごく良かったね。われわれはこれまで限界まで必死で戦ってきたし、チームのみんなは全力を尽くしてきたから、そうした彼らのために表彰台に戻れて本当にうれしかった」

スタートはどうでしたか?
「実はちょっと期待はずれだったんだ。というのも、スタートでフェルナンド(アロンソ/ルノー)を抜くのが私の目標だったのに、上手くそれができなかったからね。自分たちのレース戦略を生かすには、彼の前に出なければならなかったんだ。でも、その直後に彼がマーク(ウェバー)と戦っているのが見えた。そして2人はいずれもコーナーを大回りしたんだ。次のコーナーで私は小さな隙間を見つけてそこに賭けた。前を走るマークに接触しないよう気を付けなければならなかったけど、そこを上手く切り抜けて、フェルナンドの前に出ることができた。あれが今回のレースで決定的な瞬間だったよ。その後は本当に上手く自分たちのレース戦略を生かすことができたし、そのお陰で表彰台に上がれたんだ」

その後のレースはどんな展開でしたか?
「私はとにかく一つもミスをせずに自分のラップタイムを維持すべく、本当に必死になって集中し続けた。今回のようなストリートコースの場合、簡単にミスを犯してしまうものだけど、私は集中し続け、自分たちのレース戦略を守ったよ。1回目のピットストップの時点で、表彰台が現実的に可能だということが明らかだったし、私の2回のピットストップではピットクルーたちが素晴らしい仕事をしてくれた。時間を全くロスしなかったからね。湿度の影響でとてもキツかったけど、レースはスムーズに進んだし、2位でフィニッシュラインを通過するのは素晴らしい気持ちだったよ」

あれだけの暑さと湿度の中でドライブするのは、どのくらい厳しいのでしょうか?
「ドライバーとしては本当に厳しかった。今回のような状況に対処できるよう、シーズンを通してしっかり身体を鍛えておかなければならないのはそのためでもあるんだ。今回は暑さよりも湿度が問題だったんだ。というのも、とにかく常に汗をかいているような感じで、そのため機会があれば常に水分を多量に摂って、身体を冷やすよう努めなければならなかったからね。そうしないと自分がオーバーヒートしてしまうんだ。レース中はとにかく信じられないような状況だった。私のレーシンググローブは完全にびしょ濡れだったよ! こうした状況の中、限界までプッシュすることがどれほど水分を失うものなのかは、クルマから降りてくるドライバーを見れば誰でも理解できると思う。でも、ステアリングホイールを前にしてレースしている時は、そんなことは考えないものなんだ。ドライバーは、とにかく可能な限り必死でプッシュすることに集中しているからね」

TF109の改良パーツをどう評価していますか?
「新しいパッケージには満足だよ。この週末に向けてクルマに装着する新パーツを用意すべく、あれほど一生懸命に仕事をしてくれたケルンのみんなにはお礼を言わなければならないね。現代のF1では、常に開発を続けることがとても重要だから、今回のレースのために幾つか新パーツを持って来れたのは良かった。1回目のフリー走行でその新パーツをクルマに装着すると、すぐにそれらが上手く機能してくれた。レースの週末より前にコース上で新パーツをテストできないこと考えると、この段階から既に良い兆候が見えていた。新パッケージからさらにある程度のパフォーマンスを得られたと思うし、今は、これが鈴鹿でどう機能するのかを見るのが楽しみだよ」

予選はいかがでしたか?
「ある意味、今回の予選はちょっと風変わりだったかもしれない。というのも、第1セッションではクルマの感触が良かったものの、私は15位止まりだった。ラップタイムがとにかく縮まらなかった。でも第2セッションで、新品オプションタイヤ(ソフト側のタイヤ)の別のセットを履いたら、すぐに1秒速くなってクルマの感触がとても良くなった。このセッションでは5番手になれたんだから、第1セッションとの違いがどれほど大きかったか、みんなにも分かると思う。なぜそうしたことが起こったのかは私には分からないけど、既にトップ6入りできたことは、当然ながら第3セッションに向けて私の自信になった。結果的に第3セッションは欲求不満のまま終わったけど、それは最後に赤旗になり、新品のオプションタイヤで最後のラップを走る機会が得られなかったからだ。私のその前のラップタイムは使用済みのオプションタイヤを履いて出したものだったし、そのタイヤで最高の性能を発揮できるタイミングは既に過ぎていたから、自分にはさらにラップタイムを縮められる可能性があると分かっていたんだ。それでも、予選でトップ10に戻れたことと、トップ6からスタートできることは素晴らしかったよ」

この週末の間、コースの路面状態はどのように変わっていきましたか?
「週末の初めの段階、特に1回目のフリー走行の時点では、信じられないくらいほこりっぽかった。グリップがほんのわずかしかなかったし、それがトラクションにかんする問題の原因になっていた。ストリートコースではこうした状況は事前に予測できるものなので、別に驚くことではなかった。また、予想通り、走行ラインにラバーが乗っていくにつれて、状況はさらに改善されていった。すでに2回目のフリー走行の時にはかなり状況が良くなっていたし、この傾向は週末の最後までずっと続いた。走行ラインを外れると、かなりほこりっぽかったけどね」

いつもと異なる行動時間帯にはうまく対応できましたか?
「私には全く問題なかった。チーム全体がヨーロッパ時間のまま過ごしたしね。これがちょっと厄介だったのは私が最初に到着した時だけだ。飛行機での長い移動の後はいずれにせよ疲れているから、一日中寝ないで過ごし、そのまま夜遅くまで起きているのは最初の日は大変だったよ。でも、自分でできる限りのことをする必要がある。そうしないと、(今回の行動時間帯に)適応しないままになるからね。その後は問題なかった。私のスケジュールは全てコース上でやるべきことに集中していたから、たとえそれがちょっと変に思えても、慣れてしまうものなんだよ」

(トヨタ・プレスリリース)

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