トヨタ自動車株式会社がF1からの撤退を決断する可能性があることを、山科忠チーム代表が示唆した。
深刻な損失からトヨタのF1参戦を危ぶむ声もある中、山科氏はF1参戦にかかる費用が問題となっていると述べた。
「F1を、多くの資金を必要としないものへ変える必要があります」山科氏が東京の記者会見でこのように語ったと『読売新聞』が報じている。
トヨタのジョン・ハウエット(TMG社長)は、FOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)系チームによるコスト削減への取り組みを先導してきた。だがハウエットは、FIA(国際自動車連盟)会長であるマックス・モズレーの予算制限案に反対する中心的人物の1人でもあった。
「(トヨタ)本社との関係を考えながら、さまざまな問題を考慮しなければなりません」山科氏はこう加えた。
ケルンに本拠地を置くトヨタチームは、2012年末までの効力がある新コンコルド協定に調印したが、チームの2010年予算はまだトヨタ自動車の役員会から承認を得ていない。
承認を得るのは、早くて11月の会議の際だといわれている。
そのため今週、チームはドライバーと来年の契約を交わす状況に至っていないことが明らかとなった。
ティモ・グロック(トヨタ)の契約における2010年へ向けたオプションの期限が切れるというニュースを、グロックが「解雇」されたものと受け取る者もいるが、グロックはドイツのメディアへ次のように語っている。
「トヨタがまだはっきりしないので、僕は他のチームも見て回れるよ」