可夢偉「最大の挑戦」

2009年10月22日(木)Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加
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ブラジルでレースを走ると知らされたのはどのくらい前だったのですか? 準備はしっかりできましたか?
「ブラジルで走ると知らされたのは約1週間前にファンイベントのために日本にいた時で、準備時間は数日あった。鈴鹿ではフリー走行の準備をするのに2時間もなかったけど、あの時よりは時間がたくさんあったよ。フリー走行が始まった時はかなりしっかり準備ができていると感じたんだけど、それはその前の数日間で、全てを確認すべくチームと一緒に懸命に仕事をした結果だね。あと、鈴鹿での経験がかなり役に立った。今現在のクルマの感触を確かめることができたからね。私が2月に最後にテストして以来、数多くのことが変わって進化しているんだ」

レース出走の知らせを聞いたとき、興奮しましたか? それとも不安を感じましたか?
「もちろん興奮したけれど、別に不安はなかったね。レーシングドライバーであれば自分に自信を持たなければならないし、さもなければより多くのミスを犯すことになる。私は自分に自信を持っているよ。今回の週末が大きな挑戦になることは分かっていた。おそらく私のこれまでのモータースポーツ生活の中で最大の挑戦だったけど、不安を感じる理由は何もなかった。何かで成功しようとするなら、自信を持たなければならないと信じているし、この週末にはそういう心構えで臨んだんだ」

どうやってコースを学んだのですか?
「テレビゲームで遊んだことがあるから、基本的なレイアウトは知っていたけど、それはあまり大きな助けにはならなかった。だから基本的にまったくゼロの状態から始めたんだ。水曜日にインテルラゴスに到着して最初にやったのは、スクーターに乗ってコースを数周走り、各コーナーについて理解をより深めることだった。でもそれがF1カーに乗ってコースをちゃんと走る事の代わりになるわけじゃないから、実質的には金曜日からコースを学んでいったんだ。短いコースとはいえ、覚えるのが難しいコースだから、何が最善なのかを見いだすために、色々と異なる走行ラインやブレーキングポイントなど、そういった諸々のことを試したよ」

今回の気象条件は問題になりましたか?
「理想を言えば、タイヤを理解して可能な限り激しく攻めるためにもドライのコースを長時間走りたかったんだけど、あの雨でできなかった。完全にドライの状況でコースがどんなふうになるのか、何かガイドラインになるものがあれば、もっと楽だったけどね。とはいえ、ウェットでのわれわれのペースはかなり良かったよ」

F1で初めての予選セッションはいかがでしたか?
「難しかったね! ドライバー全員にとってあの状況は厳しかったと思う。とにかくコース上に大量の水があって、クルマは何度もアクアプレーニングを起こしていた。2、3人のドライバーがアクシデントに見舞われたけど、あれがどれだけキツい状況だったのかを示しているよね。コース状況にかんしては私もやや気がかりだった。私の優先事項はとにかくミスを犯さないことだった。でもその上、さらにとても長い遅延があったから、われわれはほぼ3時間にわたり集中力を維持しながら、あの状況にしっかり向き合わなければならなかったんだ。全員にとってキツい状況だったけど、状況が変わりつつある時にチームは適切な判断を下し、お陰で私は適切なタイミングで適切なタイヤを履いてコースを走ることができた」

予選は11番手でしたが、満足でしたか?
「最終的には11番手になってしまったけど、初めてのF1での予選セッションにしてはとても良い結果だったのでうれしかった。あのままトップ10入りできていたら完ぺきな結果だったね。でも初めてのグランプリでそれを実現するのは相当に難しいことだと分かっていたよ。ただし、予選第3セッションに進めなかったということに関しては、やや欲求不満を感じた。というのは、私は第2セッションの終わりにインターミディエイトタイヤを履いていた際に小さなミスをしてしまったんだ。トップ10入りまで本当にあと少しだったし、あのミスがなければそれができていたと思う」

初めてのF1グリッドに着くのはどんな感じでしたか?
「子どもの頃からそれが私の夢だったので、とにかく素晴らしい気分だった。あのグリッドに着き、そして私のすぐ隣にはフェルナンド・アロンソ(ルノー)がいて、タイトル争いのリーダーが私のグリッドのすぐ後ろにいる、というのはちょっと驚きだったけど、とにかく良い気分だったね」

レースは全体的にいかがでしたか?
「タフなレースだった。でもそれには幾つか理由があった。レース距離が今まで自分が慣れ親しんできたレースより長かったから、身体への負荷がキツかったというのもあるけど、同時にF1にかんして自分にとっては新しく経験することがたくさんあったからね。レース中のピットストップやレース中のクルマの挙動の変化、2種類の異なるコンパウンドのタイヤの使いこなしとかね。私はまだまだ上達していけると思っているけど、今回のレースでは数多くのことを学んだよ」

ジェンソン・バトン(ブラウンGP)とのバトルはいかがでしたか?
「私はトップ6圏内を走っていたし、ポイント獲得のチャンスがあると分かっていたので、必死に彼を自分の後ろに封じ込めておこうとした。でもそれは簡単じゃなかったね。彼はとても速く、そして私は暑い天候の下で初めてあのコースを走っていたんだ。言うまでもなく彼はタイトルを賭けて戦っていたから、私は大きな問題を起こさないよう気をつけていたよ。でも同時に、今回のレースは自分にとって大きなチャンスだったし、できる限り上位でフィニッシュしたかったから、自分の順位を守るべく懸命に戦った。ファンにとってはエキサイティングだったと思うし、自分自身も楽しんだよ」

トップ10フィニッシュには満足していますか?
「全体的には、困難な状況がいろいろとあっただけに、デビュー戦をフィニッシュできたこと、そしてトップ10入りしたことはうれしく思っている。ただし、1周目を終えた時点で6位だっただけに、ポイントを獲得できるチャンスが自分にはあった。ある意味、そうならなかったことにかんしてはややがっかりしている。1回目のピットストップの後、クルマのバランスに苦しんで、タイムをロスしてしまい、ポイント圏内から脱落してしまったんだ。あれは多分、グランプリの走行距離を走ることにかんして私の経験が不足していた結果だろうね。でも、今回の週末は、自分にとって全てが新しいことばかりだったし、最終的にデビュー戦でトップ10入りできたのは良い結果だった。私はかなり満足しているよ」

チームの反応はいかがでしたか?
「チームは週末全体を通してしっかり私をサポートしてくれた。この結果と私のパフォーマンスにはみんなも満足だと思う。私は他のドライバー相手に何度かバトルして、かなりエキサイティングなレースをした。多分あれがみんなにとっても今回のレースをかなり面白いものにしたはずだね!」

今回の週末でF1がどんなものなのか、さらによく分かりましたか?
「今回の経験は間違いなく楽しかったし、週末を通じて自分はどんどん良くなっていったと思う。もちろん、再びF1でレースできれば素晴らしいけど、それを決めるのは私ではないよね。何が起こるのかはいずれ分かるし、私はどんなチャンスに対しても準備を整えておくよ」

(トヨタ・プレスリリース)

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