2009年の最終戦の準備がアブダビで進む中、他に類を見ないプロジェクトとなったアブダビGPの計画をヤス・マリーナ・サーキットの責任者が擁護した。
新設されたヤス・マリーナ・サーキットは、そのスケールとぜいたくさで驚くようなものになっている。しかし、長年F1を見守ってきた者たちは、人気のある伝統的な開催地が生き残りに苦しむ中、バーニー・エクレストンがF1を裕福な地域へ進出させていることを歓迎していない。
サーキットをまたいで建っている5つ星のホテル、夜になれば何色もの照明でのライトアップされること、地下のピットレーン出口、そしてエアコン完備のガレージなどがこのトラックの自慢となっている。
このサーキットで責任者を努めているのはリチャード・クレーガン。トヨタでチームマネジャーを務めていた人物だ。あり余るほどの財源があるのなら、イギリスやフランスなど、由緒あるグランプリ開催地を買い取ればいいではないかとの意見に、クレーガンは肩をすくめている。
「初めからグランプリ開催権をもっているものなどいない」とクレーガンは『Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』へ語った。
クレーガンはオリンピックやワールドカップに匹敵するほどになった、F1の世界的な人気を歓迎している。また、時代の変化を責めるのならば、危機にひんしている開催地の政府を責めるべきだと語った。
「世界中の新サーキットの多くが、政府の支援を得ている。イギリスなどでも、政府が関与するべきなのかもしれない」とクレーガンは加えた。