2009年アブダビGPレースレポート

2009年11月01日(日)Yahoo!ブックマークに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加
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2009年F1第17戦アブダビGPが11月1日(日)、ヤス・マリーナ・サーキット(1周/5.554km、11月1日決勝55周/305.470km)で3日目を迎え、現地時間17時(日本時間22時)から決勝が行われた。

前日に行われた予選では、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が2番手に大差をつけてポールポジションを獲得した。しかも、予選後に発表された車両重量によると、ハミルトンは極端に少ない燃料ではなかったことが明らかになっている。ハミルトンのチームメートであるヘイキ・コバライネンは、ギアボックスを交換したために5グリッド降格し、18番グリッドからのスタートとなった。また、来季からはレース中の給油が禁止になるため、燃料の搭載量を含めたレース戦略が展開されるのは、このレースが最後ということになる。

レース開始時の天候は晴れ、気温31℃、路面温度34℃。レース序盤はハミルトンとセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、マーク・ウェバー(レッドブル)が3台でトップを争っていたが、1回目のピットストップでベッテルがトップに。その後、ハミルトンはトラブルのためにリタイアした。レース中盤には1ストップを選択した小林可夢偉(トヨタ)が一時は3番手を走行。各車がピットストップを終えると、レッドブルが1-2、可夢偉は6番手となった。結局、このまま順位が変わることはなく、ベッテルが優勝、ウェバーが2位に入り、レッドブルが1-2フィニッシュを達成した。

3位から8位までの結果は次の通り。

3位ジェンソン・バトン(ブラウンGP)、4位ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)、5位ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)、6位小林可夢偉(トヨタ)、7位ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)、8位セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)までがポイントを獲得した。

トップ8位以外の日本勢は、中嶋一貴(ウィリアムズ)が13位だった。

このレースのファステストラップは、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が記録した1分40秒279。54周目に記録したものだった。

【セッションレポート】
スタート直後、1コーナーではルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)とマーク・ウェバー(レッドブル)が接触していた。しかし、両ドライバーともピットへ入ることなく走り続けている。この他にも、2本の長いストレートなどでバトルが見られたが、大きな混乱はなくレースがスタートした。

トップのハミルトンがファステストラップを更新しながら走行しているが、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)も大きく離されず、7周目終了時のタイム差は1.5秒になっている。11周目にハミルトンが少しコースオフしたことで、ベッテルとの差が1秒以下に縮まった。3番手のウェバーもトップの2人と同じようなペースで走り、3台によるトップ争いを展開している。

17周目終了時、トップのハミルトンがピットイン。これと同時にジェンソン・バトン(ブラウンGP)もピットへ入った。バトンは小林可夢偉(トヨタ)の前でコースへ復帰し、可夢偉とバトンが複数のコーナーにわたってバトルを展開したが、最終的には可夢偉がバトンの前に出た。次の周にはウェバーがピットイン。その次の周にベッテルがピットへ入り、ハミルトンを抜いてトップでコースへ復帰した。

20周目終了時、ハミルトンがガレージへ入ってクルマを降りた。チーム無線によると、右リアのブレーキに問題があったようだ。またレッドブルのピットでは、ベッテルがピットインする直前にハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)がレッドブルのピットへ入ってしまっていた。アルグエルスアリはそのままレッドブルのピットを通過したが、その後コース上でクルマを止めてしまった。

上位勢が1回目のピットストップを終えると、まだピットに入っていない可夢偉が3番手に浮上。可夢偉は自己ベストのタイムを更新しながら周回を重ね、後続のドライバーとの差を広げている。可夢偉は30周目終了時にピットインし、12番手でコースへ復帰した。

40周目終了時、2番手のウェバーがピットイン。ウェバーは6番手でコースへ復帰した。42周目終了時にベッテルがピットインし、トップでコースへ戻った。2ストップのドライバーが2回目のピットインを終えた段階では、ベッテルがトップでレッドブルの1-2、バトン、バリチェロ、ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)と続き、可夢偉が6番手になっている。

レース終盤、3番手のバトンが2番手ウェバーを、7番手ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)が6番手の可夢偉との差を詰めている。

残り5周になると、ウェバーとバトンのタイム差は1秒以下になってきた。また、可夢偉は自己ベストを更新し、トゥルーリとのタイム差を維持している。

残り2周、ウェバーがバランスを崩したことでバトンとの差はほとんどなくなった。最終ラップでもこの2人はバトルを展開したが、なんとかウェバーがポジションを守りきった。

優勝はベッテル、ウェバーが2位に入ったことでレッドブルは1-2を達成。可夢偉はF1参戦2戦目で6位に入り、ポイントを獲得している。

これで2009年のF1も幕を閉じた。しかし、すでに2010年の戦いへ向けた準備は始まっている。シーズンオフの間も、新ドライバーや新チーム、そして各チームの新車発表など、見逃せない話題は多い。

レース中の給油が禁止されるなど、新ルールで行われる2010年F1は、3月12日(金)にバーレーンで開幕する予定だ。

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