小林可夢偉(トヨタ)は、1日(日)のアブダビGPが2010年のトヨタでのシートに向けたオーディションであったことを認めた。
負傷したティモ・グロック(トヨタ)の代役として2戦目に挑んだ可夢偉は12番手からスタートし、チームメートのヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)の前となる6番手でレースを終えた。さらにレース中には、キミ・ライコネン(フェラーリ)やジェンソン・バトン(ブラウンGP)などのチャンピオンもコース上で抜いていた。
可夢偉はGP2のアジアシリーズでチャンピオンになったものの、ヨーロッパシリーズでは16位となっていた。
「今の段階では来年のことが何も決まっていないので、自分のパフォーマンスを証明する必要があります」可夢偉はこう語っている。
トヨタが2010年に可夢偉をレースドライバーへ昇格させることは以前からうわさされていた。これは、撤退を検討しているとされるトヨタ自動車の役員会を説得するためだとの意見もある。
ブラジルではペースの面で苦戦したものの、トラック上で激しいバトルを見せていた可夢偉だが、アブダビでの見事な走りにより、2010年にレギュラードライバーへ昇格する可能性があると考えているようだ。
「2ヶ月前には、F1で走るチャンスなんてありませんでしたが、トヨタがチャンスをくれ、今の僕には来年に向けた大きな可能性があると思います」
「まだ決定していませんが、僕はトヨタのジュニアドライバーですし、ここは僕にとって家のような場所なので、もちろんトヨタを一番重要視しています。答えを待っていますよ」と可夢偉は話した。
山科忠チーム代表は可夢偉について、次のようにアブダビで語っていた。
「可夢偉は素晴らしい仕事をしたので、とても誇りに思っています」