F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、トヨタのF1撤退に対する「懸念」を表明した。
トヨタは最近、コンコルド協定に署名していた。この協定は、チーム、商業権保有者、そしてFIAを2012年まで拘束するものだ。
「トヨタのF1チームについては、選手権に関する法的立場を明確にすることが緊急に求められている」
「これは、将来13チーム目の参戦を認めることに関して、直接的な影響がある問題だ」FIAが発表した声明にはこう書かれている。
トヨタのジョン・ハウエット(TMG社長)は、FIAが法的な行動を起こすのか分からないと『Times(タイムズ)』紙へ語ったが、バーニー・エクレストンは「確認している最中だ」と話している。
F1の最高権威であるエクレストンはさらに、『Daily Express(デイリー・エクスプレス)』紙へ次のように加えた。
「問題なのは、チーム首脳のジョン・ハウエットが劇的なコスト削減に反対し続け、新チームの参戦にも反対していたことだ」
各F1チームによって組織されているFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)はトヨタの撤退発表を受け、各自動車メーカーが「経済的なプレッシャー」を受けていると明かしているが、最近の「F1における不安定さや、不必要な対立」についても指摘した。
フェラーリは、さらに踏み込んだ指摘をしており、次のように大胆なコメントを残した。
「ここ数年のF1を運営してきた者たちが自動車メーカーに仕掛けた戦争」
しかし通常の見方をすれば、世界的な不況と、2002年の参戦開始以来、トヨタが思うような成績を残せなかったことが、撤退の理由として挙げられるだろう。だが、トヨタの元チームマネジャーであるリチャード・クレーガンは、「特定の個人に問題がある」と語った。
それでもエクレストンは「チームの首脳陣に問題があると思う」としている。
またFIAは、FOTA加盟チームがF1への参戦を約束する代わりに予算制限ルールを撤回したにもかかわらず、トヨタが撤退することへの不満を表明した。
「FIAは、各チームが長期的に選手権へ参加することを保証したため、チーム側が提案したコスト削減案を受け入れた」
「トヨタの発表は、当初FIAが提唱したコスト削減案の重要性を表すものだ」FIAはこのように主張している。