21日(月)、”クラッシュゲート”に関する公聴会が行われ、ルノーは参戦資格はく奪に相当するものの2年間は執行を猶予、フラビオ・ブリアトーレ(元マネジングディレクター)は無期限でモータースポーツへの関与禁止を言い渡された。
世界モータースポーツ評議会(WMSC)に対してルノーは、全面的に協力する姿勢を見せ、元ドライバーであるネルソン・ピケJr.の故意のクラッシュ疑惑を認め、謝罪した。さらには、FIA(国際自動車連盟)の調査費用を負担することや、FIAの交通安全プロジェクトへ「多大な貢献をすること」を申し出ている。
WMSCは今回の件について、「比類なきほど重大」と表現し、「FIAフォーミュラ1世界選手権への参戦資格を恒久的にはく奪すること」に値するとした。
しかしルノーが謝罪していること、そして今回の件に関与したとされるブリアトーレとパット・シモンズ(元エンジニアリング責任者)がチームを離脱していることを考慮し、「2011年シーズン終了時まで」処分の執行が猶予されることになった。
「この期間内にルノーF1が同等の違反で有罪との裁定を受けた場合、世界モータースポーツ評議会のみが、この処分を執行できる」とFIAから発表された声明には書かれている。
しかしWMSCは、ブリアトーレに対して厳しい処分を言い渡した。ブリアトーレは無期限に、FIAが認可するあらゆるシリーズへ参加することは言うまでもなく、姿を見せることすらも禁止された。
さらにFIAは、「ブリアトーレ氏と関連のあるドライバーについては、スーパーライセンスを更新する意志がない」とし、ブリアトーレの会社と関係者もその対象に含まれるとした。そのためブリアトーレは、ドライバーのマネジメントを行っている自身の会社、FFBBの業務を終わらせる必要もある。
FFBBと契約しているドライバーの中には、フェルナンド・アロンソ(ルノー)、マーク・ウェバー(レッドブル)、ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)などが含まれている。
ブリアトーレのみに厳しい処分を言い渡した理由についてFIAは、「重大な違反」があっただけではなく、「あらゆる証拠があるにもかかわらず、違反への関与を否定し続けたため」とした。
シモンズにもブリアトーレと同じ処分が言い渡されたが、こちらの処分期間は5年間のみとなっている。これは、今回の件への関与を認め、21日の聴聞会へ書簡を送り、関与したことを「永遠に後悔し、恥じる」と語っているためだ。
ピケJr.は免責を与えられているため処分はなく、アロンソの関与がなかったこともFIAは発表している。
ルノーF1の社長であるベルナール・レイは、メディアに対して次のようなコメントを残した。
「われわれは、評議会の裁定を全面的に受け入れる」
「このような許容しがたい行為があったことに対し、F1界へ心から謝罪したい。これ以上のことについては、数日以内に発表する」