レース結果を左右したとされる”クラッシュゲート”事件への関与を事実上認め、ルノーを離脱したフラビオ・ブリアトーレ(元マネジングディレクター)とパット・シモンズ(エンジニアリング部門エグゼクティブディレクター)は、仕事を失うだけでは済まない可能性がある。
21日(月)に開催されるFIA(国際自動車連盟)の世界モータースポーツ評議会(WMSC)がこの2人に対し、永久追放を言い渡す可能性があるとのことだ。
しかし、『Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』紙は、有罪判決が出た場合、さらに深刻な事態になるおそれがあるとも報じている。ブリアトーレとシモンズは、シンガポールへ送還され、危険かつ凶暴な行動を指示したとして、刑事責任を問われることも考えられるようだ。
また『Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』紙は、昨年のシンガポールGPでの結果により2008年の世界選手権を取り逃がしたとして、フェリペ・マッサ(フェラーリ)やフェラーリ側からの訴訟があり得るとも報じている。
その一方で、ルノーは「会社の評判を落としたとして、元従業員を訴えることはないだろう」とも『Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』紙は加えた。
スポーツ専門の弁護士であるスティーブン・ホーンズビーは、次のように語っている。
「ちょっとしたことのためにルノーがこの問題を長引かせる可能性は低いだろう」
またブリアトーレについては、自身が所有する『FFBB』で行っているトップドライバーのマネジメント業務と、ロンドンのサッカーチーム、クイーンズ・パーク・レンジャースの共同オーナーになっている件にも注目が集まっている。
サッカーの運営側は特にコメントを発表していないが、「スポーツの統括団体からスポーツの運営に関与することを禁じられた人物」が参加することは認められていない。
運営側は、事態の進展を注意深く確認しているようだ。
21日に開催されるWMSCでは、今回のスキャンダルの中でブリアトーレが担っていた、2つの役割における利益の対立についても調査することになる。ブリアトーレは故意にクラッシュをしたとされているネルソン・ピケJr.のマネジャーを務めつつ、ルノーのマネジングディレクターも務めていた。
ある関係者は『The Guardian(ガーディアン)』紙に対し、次のように話した。
「ピケJr.をこのような状況にさせたと考えられる事態へのフラビオらの関与、そして再発を防止するためにはどんな処罰が適当か、それをWMSCが検討することになるだろう」