ルイス・ハミルトン(MP4-24)
フリー走行3回目:1分47秒632、15周、1番手
KERS(運動エネルギー回生システム)の配線に問題が疑われたため、予防的措置としてハミルトンのメカニックはシャシーの交換を行った。3回目のフリー走行は順調だった。ハミルトンはすぐにリズムをつかみ、25日(金)よりもクルマのバランスがよく、走りやすくなったと報告していた。
ハミルトンは3回の走行を行い、初めの2回はハード側のタイヤで走った(5周/1分48秒346、1周/1分48秒197)。そして最後にソフト側のタイヤで走行している(2周/1分47秒632)。
予選
Q1:1分46秒977(ハード側タイヤ、1番手)
Q2:1分46秒657(ソフト側タイヤ、4番手)
Q3:1分47秒891(ソフト側タイヤ、1番手)
フリー走行で自信を深めていたハミルトンはQ1で、タイムの出にくいタイヤを装着し、1回走ったのみで最速のタイムを記録した。Q2でも高い競争力を維持し、4番手となる1分46秒657を記録。十分にQ3へ進めるタイムだったため、2回目の走行を中止した。Q3ではまず、1分47秒891という速いタイムを記録した。その後、全ドライバーがタイム更新を目指したところで、ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)がクラッシュし、赤旗が出された。
「本当に最高の結果だよ。僕たちは今週末に向けて、改良をしてきたけど、どこまでいけるのか分からなかった。特に昨日は、僕にとって良いセッションではなかったからね」
「ポールを獲得したラップは、かなりリラックスしていたよ。トラックの状況が向上するにつれて、どんどんクルマがよくなっていったんだ。もし赤旗が出されなければ、最後のラップもタイムを更新できたと思う」
「ポールは予想していなかったけど、僕たちのペースは本当にいいんだ。他のドライバーの燃料搭載量を確認しないといけないけど、自分たちの戦略には自信を持っているし、明日のレースへ向けて最高のポジションを得ている」
今回のポールポジションはハミルトンにとって、ここ4レースでの3回目、キャリア全体では16回目のものだった。
ヘイキ・コバライネン(MP4-24)
フリー走行3回目:1分48秒420、14周、4番手
25日に大きな問題が起きなかったため、コバライネンは25日の状態から作業を再開することができた。コバライネンはクルマのバランスの微調整を続け、特にタイヤの摩耗への影響を確認した。最後の走行ではひどいトラフィックにつかまったものの、コバライネンは進歩には非常に満足していると語っていた。
ハミルトンと同様、コバライネンもまずは2回の走行をハード側のタイヤで行った(3周/1分49秒263、3周/1分48秒420)。最後にソフト側のタイヤで走行した(1周/1分57秒833)。
予選
Q1:1分47秒542、ハード側タイヤ、8番手
Q2:1分46秒842、ソフト側タイヤ、10番手
Q3:1分49秒778、ハード側タイヤ、10番手
Q3終盤の中断は、コバライネンにとって非常に不運なものだった。初めの2つのセッションを無事に通過したコバライネンとエンジニアは、最後の走行のために新品のソフト側タイヤを1セット残しておく決断を下していた。しかし、バリチェロがクラッシュしたことで、その利点を生かすことができなくなってしまった。その結果、コバライネンはハード側タイヤで記録したタイムでグリッドが決定することになり、10番グリッドとなった。これは、コバライネンのスピードや働きを正確に反映しているものではない。
「僕にとっては、本当に残念な結果だよ。最初の2回のセッションでは、自分で予想していたほど競争力の高いラップタイムじゃなかったけど、順調に進んでいた。Q3の1回目の走行は、いい走りができなかった。硬めのタイヤで走っていたから、十分な速さがなかったんだ。それに少しミスもしていたけど、僕は2回目の走行に集中していた。新品のソフト側タイヤを使う予定だったからね」
「明日は厳しいレースになるよ。10番手からのスタートでは難しい状況になるけど、もうどうすることもできない。明日は全力を尽くすしかないね」
マーティン・ウィットマーシュ(チーム代表)
「ルーベンスがクラッシュして赤旗が出され、セッションが中断したことで最後の戦いがなくなり、拍子抜けする形で予選が終わったが、ルイスはポールポジションにふさわしかった」
「他のドライバーも最後まで攻めており、接近した戦いになっただろうが、それでもルイスはポールを取れていたはずだ」
「対照的に、ハード側のタイヤを装着していたヘイキ・コバライネンは、赤旗が出されるまでに速いラップを記録していなかった。しかし、もう1周走ることができていれば、大幅にタイムを更新できていたはずだと思っている。10番手スタートには彼もガッカリしているだろうが、きっと明日は競争力あるパフォーマンスを見せてくれるだろう」
「多くのポイントを獲得することを期待している。ルイスはポールからスタートするので、これは何も野心的な目標ではない。暑くて湿度も高くなるだろうし、雨が降る可能性もあり、ウォールに囲まれている。非常に挑戦しがいのあるサーキットだ。だが、われわれには十分なチャンスがあると思っている」
ノルベルト・ハウグ(メルセデス・ベンツモータースポーツ副社長)
「素晴らしい走りを見せ、バレンシアからの4戦で3回目のポールを獲得したルイスを祝福する」
「また、KERSの配線に関する問題への予防的措置として、徹夜で朝の10時までかけてルイスのシャシーを交換してくれたチームの全員にも感謝したい」
「最終セッションでの1回目の走行で思うような走りができなかったが、週末の間ずっと速さを見せていたヘイキは残念だった。ルーベンスのクラッシュ後、2回目の走行を行う時間はなかったので、ヘイキは10番手からスタートすることになる」
「戦略的にもわれわれはいいポジションにいるので、明日は優勝を争えることを期待している」