2012年までのF1参戦を表明していたパナソニック・トヨタ・レーシングだが、2010年にF1へ参戦するか否かは、間もなくトヨタ自動車より発表される。
11月4日(水)、トヨタ自動車はF1撤退を正式に決定すると見られている。
5日(木)には2009年9月中間連結決算を発表するが、大幅な赤字となる見通し。黒字への転換を目指すにあたり年間予算約500億円とも言われているF1から撤退することで、大幅なコストダウンを決断せざるを得ない状況。
この1年でF1撤退を発表したのは、以下の通り。
2008年12月 ホンダが2009年は撤退することを都内で発表。チームを引き継いだブラウンGPは2009年ダブルチャンピオン獲得の歴史的快挙。
2009年7月 BMWが2009年いっぱいで撤退を発表。その後、謎のスイス企業に売却したが、2010年のF1に参戦できるかどうかの承認が降りていない。
2009年11月 ブリヂストンが2010年いっぱいでのF1タイヤ供給終了を発表。
いずれも世界的な不況がF1撤退の要因としている。
トヨタ自動車の豊田章男社長は、2010年に販売が予定されている、3750万円の憧(あこが)れのスーパースポーツカー「レクサスLF-A」に深くかかわってきた。自身がレーシングドライバーとしてレクサスLF-Aでレースに参戦し、積極的に車両開発をしてきたほど車好き・レース好きで有名だが、経営者としてF1撤退という苦渋の決断を迫られている。
今年10月に開催されたF1日本GPでは、目標としていた優勝まであと一歩という2位表彰台を獲得。今年も経費削減などの努力をしながらも、チーム力は着実にレベルアップしてきた。日本GP後の最後の2戦では、日本期待の新人、小林可夢偉(かむい)をデビューさせ、チャンピオンのジェンソン・バトン(ブラウンGP)と堂々の勝負。ドライバーとして世界中で高い評価を得た。近い将来、日本チームで走る日本人ドライバーの優勝という夢も期待されていた。