9月29日火曜日18時、神宮球場でいつものように試合が始まったヤクルト対阪神戦。セ・リーグ3位争いをしているヤクルトと阪神の戦いはこれまで以上に熱い戦いだ。神宮球場はそんな選手とチームを応援するスタンドのファンと一体となって盛り上がる。
5回裏、神宮球場に突然甲高いエンジン音が鳴り響いた。選手交代にしては派手すぎる音だ。
レフト側の外野から突如表れたのはF1。選手はもちろん、観客も大喜び。登場したのは、大阪城、埼玉県越谷市のイオンレイクタウン、と今年は日本全国各地でF1デモ走行を実施しているレッドブルのデビッド・クルサードだった。
さすがに野球の試合中ということもあり、グランド上での派手なスピンターンや加速は控えたようだが、昨年の神宮外苑前カート大会に続き、今年もレッドブルが神宮でやってくれた。
明朝には三重県・鈴鹿でデモ走行を予定しているため、デモ走行後のクルサードはスタッフと談笑した後すぐにタクシーに乗り込んだが、「球場での走行はどうでしたか?」というTopNewsの取材に対し、「グランドを痛めないように、とにかくゆっくり走ったよ。でも楽しかった」と笑顔で球場を後にしている。
球場に訪れていたヤクルトファン、阪神ファン、両チームの選手の中にはF1を初めてみる人も多かったようで、F1が出てくると大歓声。選手からも笑顔がこぼれた。球場で初めて走るというF1の存在感に圧倒されていたようだ。元プロ野球選手でメジャーリーガーとしても活躍した大魔神・佐々木主浩氏も大のF1好きで有名。メジャーリーガー時代にはフォーミュラ・ニッポンのオーナーになっていたほどだ。
世界中で活躍しているスポーツ選手が最も驚くもののひとつに「F1ドライバーの集中力のすごさ」があげられる。同じアスリートとして、F1ドライバーの能力の高さをすぐに感じてしまうのだろう。そのぐらいアスリートとしても優れていなければならないのがF1だ。
世界中で絶大な人気を誇るF1が、日本で最も有名なスポーツ、プロ野球と融合した歴史的瞬間だった。