予選は「破滅的」になっていたものの、ブレーキのトラブルを抱えながらシンガポールGPを5位でフィニッシュし、ジェンソン・バトン(ブラウンGP)はタイトルへとまた一歩近づいた。
チームメートのトラブルを受け、ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)はレース中盤にバトンを追い上げたが抜くことはできず、3戦を残してバトンとのポイント差が広がってしまった。
バリチェロとバトンのポイント差が15ポイントになったため、日本GPからの3戦でバリチェロは、バトンよりも5ポイント多く獲得し続けなければチャンピオンにはなれない。
「この結果には満足だし、前向きな気分で日本へ行くことができるよ」バトンは『BBC』に対し、このように語っていた。
バトンが楽観的になっている理由は、バリチェロの前でフィニッシュしたことだけではない。一時はレース優勝したルイス・ハミルトン(マクラーレン)を追い回していたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、最終的には苦戦していたこともバトンには有利となった。
ベッテルはピットレーンでのスピード違反でペナルティーを受けただけではなく、縁石に乗り上げてフロアを損傷し、さらにはミラーも外れてしまっていた。
ベッテルはバトンの前、4位でフィニッシュしたものの、バトンとベッテルのポイント差はいまだに25ポイントもある。ベッテルがタイトルを獲得するには、残りの全レースでバトンより8ポイント以上多く稼がないといけないため、タイトル獲得の可能性は非常に小さくなったと言える。
ブレーキのトラブルにより、46周目にクラッシュしてレースを終えたマーク・ウェバー(レッドブル)がタイトルを獲得する可能性は完全に消えてしまった。
ティモ・グロック(トヨタ)が見事なレース展開で2位表彰台を獲得。3位に入ったフェルナンド・アロンソ(ルノー)は、ルノーの元マネジングディレクターであるフラビオ・ブリアトーレにこの結果をささげた。