2009年F1第14戦シンガポールGPが9月27日(日)、マリーナ・ベイ・サーキット(1周/5.067km、27日決勝61周/308.950km)で3日目を迎え、現地時間20時(日本時間21時)から決勝が行われた。
前日に行われた予選でポールポジションを獲得したのはルイス・ハミルトン(マクラーレン)だった。セッション終盤で赤旗が出されたことが影響していたが、ハミルトンは上位勢の中では最も多くの燃料を搭載している。また、赤旗の原因となったルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)はギアボックスを交換したため10番グリッドへ降格、ドライバーズ選手権をリードしているジェンソン・バトン(ブラウンGP)は12番グリッドに沈んでいた。
レース開始時の天候はくもり、気温30℃、路面温度33℃。スタート直後にニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)が2番手に上がったものの、レース序盤の上位勢はこう着した展開となった。上位勢が1回目のピットストップを始めたころに後方でクラッシュが発生。これによってセーフティカーが導入された。その後、ロズベルグはピット出口の白線を越えたためにペナルティーを受けて後退。また、ハミルトンを追い上げていたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)もピットレーンでのスピード違反でペナルティーを受けてしまった。これによってハミルトンの敵はいなくなり、ポールからスタートしたハミルトンが今季2勝目を記録した。
2位から10位までの結果は次の通り。
2位ティモ・グロック(トヨタ)、3位フェルナンド・アロンソ(ルノー)、4位セバスチャン・ベッテル(レッドブル)、5位ジェンソン・バトン(ブラウンGP)、6位ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)、7位ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)、8位ロバート・クビサ(BMWザウバー)までがポイントを獲得した。
トップ10位以外の日本勢は、中嶋一貴(ウィリアムズ)が9位、ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)が12位だった。
このレースのファステストラップを記録したのはフェルナンド・アロンソ(ルノー)、タイムは1分48秒240、53周目に記録したものだった。
【レースレポート】
スタート直後、3番手スタートのニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)がセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を抜いて2番手へ上がった。また、フェルナンド・アロンソ(ルノー)もスタートでポジションを上げたが、その後数台に抜かれてしまった。1周目にはバトルも見られたが、2周目からはこう着状態のレース展開となった。
1周目にコースオフしながらアロンソを抜いていたマーク・ウェバー(レッドブル)は、チームからの指示によってアロンソ、そしてアロンソの前に出ていたティモ・グロック(トヨタ)にポジションを譲った。レース序盤には、ペースの上がらないハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)の後ろに長い隊列ができていた。エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)がアルグエルスアリのすぐ後ろにつけているものの、なかなか抜くことはできない。
17周目終了時、ベッテルがピットへ入り、7番手でコースへ復帰した。次の周にはロズベルグがピットイン。しかし、ロズベルグはピットレーン出口でバランスを崩し、白線を越えてしまった。これによってロズベルグには、ドライブスルーのペナルティーが科された。20周目終了時にはハミルトンがピットへ入り、トップのままコースへ復帰。
21周目、アルグエルスアリを抜こうとしたスーティルがスピン。さらに、コースへ復帰しようとしたスーティルとニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)がクラッシュし、破片がコース上に散らばったためセーフティカーが出動した。このタイミングで各車がピットインし、全ドライバーが1回目のピットストップを終えた。
26周目からレースが再開。再開直後に順位が変動することはなかった。27周目終了時にロズベルグがペナルティーを消化し、14番手まで後退した。レースのほぼ半分、30周が終了した時点では、ハミルトンがトップ、2番手ベッテル、3番手にはグロックが上がっている。その後、ベッテルがハミルトンとの差を1秒以下に詰め、ハミルトンを追いかけている。
39周目終了時にベッテルが2回目のピットインを行い、7番手でコースへ復帰。しかし、ベッテルはピットレーンでのスピード違反を犯しており、ドライブスルーのペナルティーを科された。ベッテルは43周目終了時にペナルティーを消化し、9番手でコースへ復帰した。45周目終了時には2番手まで上がったグロックがピットイン。6番手でコースへ戻った。
46周目の1コーナーでウェバーがコースアウト。そのままバリアへクラッシュしてしまった。多くのドライバーがセーフティカーを警戒し、このタイミングでピットインした。トップのハミルトンもここでピットインしている。50周目終了時、トップに立っていたアロンソがピットインし、4番手でコースへ復帰。次の周には2番手のバトンがピットインし、バリチェロの前、5番手でコースへ戻った。
レース終盤、バトンの右フロントから大量のブレーキダストが出るようになった。しかし、バトンは無事に5位で完走。レース優勝は、ポールから順調にレースを進めたハミルトンとなった。
2009年のF1も、いよいよ日本GPを迎えることになる。鈴鹿サーキットで開催される第15戦日本GPは、10月2日(金)午前10時に開幕する。