キミ・ライコネンは、15日(木)の記者会見にいつものようにリラックスした状態で臨み、将来に関する話題へのコメントを避けながら、メディアといつもどおりのやり取りを繰り返していた。
週末の予想については、「全力を尽くすだけだよ、どうなるか楽しみだね」と語るのみだった。
ライコネンは、雨の予報を歓迎しているようで、次のように語っていた。
「もしウェットになれば、フェラーリのクルマはこれまでここで強さを発揮してきたから、有利になると思う。でも、僕たちはまだ、上位勢には追いつけていない。これはこの5レース続いていることだけどね。でもこのサーキットでは、最近のレースよりも上位との差が縮まることを願っているよ。いつものことだけど、週末がどうなるか予想するには、16日(金)のフリー走行を待たないといけない」
フェルナンド・アロンソ(ルノー)が2010年にチームへ加入すると発表されたため、現在のライコネンは来年の仕事が未定な状態になっている。しかしライコネンは、そのことを気にしていない様子だ。
「残ろうと思えば、間違いなくF1には残れるけど、バカみたいな契約を結んでも意味ないからね。何が僕にとって最良の選択肢なのか、じっくりと考えてみるよ。もしF1に残るのなら、来年に勝てる可能性のあるチームに行く。そういったチームは少ないよ。勝てると言うチームは多いけど、少なくとも自分自身がそう信じられないとね! 新チームがタイトルを争わないのは間違いない。気が向いたときに決断するよ」
フェリペ・マッサがブダペストでクラッシュして以来、ライコネンは2人のチームメートを迎えていた。だが、これが自身のパフォーマンスに影響を与えたとは考えていないようだ。
「新しいチームメートを迎えると、いつも少し変わるものだけど、僕は変わらずに自分の仕事をこなしていた。そういった面では、何も変わっていないよ。2人とも、一緒に働けて良かったと思っている」
スクーデリア・フェラーリ・マールボロは、コンストラクターズ選手権3位の座を守ることを目標にしているが、ライコネンはこのように語った。
「僕たちに一番近いライバルのクルマは、僕たちよりも速い。でも、彼らよりも多くのポイントを獲得したレースもあるし、どうなるか分からないよ。日曜(18日)にどうなるか楽しみだね」
ライコネンがインテルラゴスで優勝した時、表彰台の真ん中に立っただけではなく、ドライバーズタイトルも獲得していた。そのためブラジルは、ライコネンにとって特別な土地になっている。
「ずっと達成したいと思っていたことだからね。F1の中では、あのレースが最高の思い出になっているよ。人生の中で最高の思い出と言えるかもしれない。自分がここで過去に達成したことを覚えているから、戻って来ることができてうれしいよ」珍しく感情を表しながら、ライコネンはこう語った。