2010年ドライバー移籍情報（11/26）

2009年シーズン最終戦のアブダビGPが終了した時点で2010年のシートが決まっているドライバーはわずかだった。

しかし、シーズン終了から3週間が経過する間に、続々と移籍の情報が入ってきた。中でも一番大きい移籍は、2009年チャンピオンのジェンソン・バトンだろう。ブラウンGPでタイトルを獲得したバトンは、カーナンバー1とともにマクラーレンへ移籍することとなった。

また、トヨタが2009年限りでのF1撤退を発表し、メルセデス・ベンツはブラウンGPを買収し、2010年からはメルセデスGPとして参戦すること発表。トヨタの撤退により、ザウバーチームの参戦が認められるとみられているが、いまだにFIA（国際自動車連盟）から正式な発表はされていない。

2010年のF1には日本の自動車メーカーが参戦しないことになったが、日本人ドライバーにとっても厳しい状況となっている。小林可夢偉、中嶋一貴、佐藤琢磨らに関するうわさはあるものの、経済情勢などによるスポンサー獲得の厳しさを考えれば、決して楽観視できる状況ではないと言えるだろう。

すでに確定しているドライバーと、加入がうわさされているドライバーのリストは以下の通り。

マクラーレン
・ジェンソン・バトン
・ルイス・ハミルトン

マクラーレンは2人ともドライバーが確定している。バトンがブラウンGPから移籍してくることで、イギリスチームにイギリス人チャンピオンが2人となり、これまで以上にイギリス色の強いチームになった。メルセデスとの関係が弱まっていくことになるが、F1を撤退するBMWからF1エンジン部門を買収し、エンジンも独自に製造することを目指しているとのうわさがある。また、チーム代表から退いたロン・デニス（マクラーレングループ会長）がチーム代表に復帰するのではないかとも言われている。

メルセデスGP（旧ブラウンGP）
・ニコ・ロズベルグ
・未定

メルセデス・ベンツがブラウンGPを買収することで誕生するメルセデスGPは、ウィリアムズからニコ・ロズベルグが加入することを発表した。もう1人のドライバーは発表されていないが、キミ・ライコネン、ニック・ハイドフェルド、ミハエル・シューマッハ、エイドリアン・スーティルなどの加入がうわさされている。メルセデスがドイツ人コンビを希望しているとも言われ、ノルベルト・ハウグ（モータースポーツ責任者）が「2010年のラインアップはサプライズになる」と語っていたこともあり、シューマッハがメルセデスGPから現役復帰するとの憶測も。チームCEOのニック・フライはクリスマスまでにもう1人のドライバーを発表したいと語っていたことから、数週間以内にドライバーが発表される可能性もある。

レッドブル
・セバスチャン・ベッテル
・マーク・ウェバー

レッドブルは2010年のドライバーが2人とも決定済みだ。一時はライコネンがレッドブルに移籍し、ウェバーがシートを失うとのうわさもあったが、レッドブル側もライコネン側もこのうわさを否定。しかし、ライコネンが2011年にレッドブルに加入する可能性も高いとされている。ベッテルの契約は2011年までだが、ウェバーの契約は来季いっぱい。そのため、もしライコネンが2011年にレッドブルへ加入するとすれば、ウェバーは2010年限りでレッドブルのシートを失う可能性が高い。

フェラーリ
・フェリペ・マッサ
・フェルナンド・アロンソ

フェラーリでは、ライコネンが契約を1年早く終了させることに合意し、2009年限りでチームを離脱することになった。2010年はルノーからアロンソが移籍し、マッサとのコンビになることが決定している。シーズン途中にフォース・インディアから移籍してきたジャンカルロ・フィジケラは、テストドライバーとしてチームにとどまる。しかし、もし他のチームでフィジケラがレースシートを獲得するチャンスがあった場合、フェラーリはそれを認めるようだ。

ウィリアムズ
・ルーベンス・バリチェロ
・ニコ・ヒュルケンベルグ

ウィリアムズは2010年、ニコ・ヒュルケンベルグをF1にデビューさせる。ヒュルケンベルグは、数年前から注目を集めていたドライバーで、2009年はGP2チャンピオンに輝いた。ヒュルケンベルグのチームメートになるのは、ブラウンGPからやってくるルーベンス・バリチェロ。F1最多出走記録を更新中のバリチェロと組むことで、ヒュルケンベルグはバリチェロの経験から多くのことを学べるだろう。

ルノー
・ロバート・クビサ
・未定

ルノーは、BMWザウバーからロバート・クビサが加入することを発表している。もう1人のドライバーはまだ明らかにされていないが、ロメ・グロジャンが残留する可能性もある。しかし、マクラーレンを放出されるヘイキ・コバライネン、ロシア資本に後押しされたビタリー・ペトロフのうわさもある。また、F1撤退を決定したトヨタをバックアップしていたスポンサー数社がF1に残ることを希望しており、小林可夢偉とともにルノーに移籍するとのうわさも出てきた。だが、ルノーには常にF1撤退のうわさがつきまとっており、カルロス・ゴーンCEOは年内にF1へのかかわり方を決断すると語っている。ルノー本社の決定次第では、チームが売却され、プライベートチームになる可能性もある。

フォース・インディア
・未定
・未定

フォース・インディアは、まだ2010年のドライバーを発表していない。スーティルとビタントニオ・リウッツィの残留はほぼ確実だといわれているが、チームは正式な発表をしていない状態だ。スーティルには、メルセデスGPへ移籍するとのうわさもある。また、マクラーレンと技術提携を結んでいることから、マクラーレンのテストドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサが加入するとのうわさや、メルセデスからDTM（ドイツ・ツーリングカー選手権）に参戦しているポール・ディ・レスタがF1デビューを果たすとのうわさもある。

トロ・ロッソ
・未定
・未定

トロ・ロッソも2010年のドライバーを正式には発表していない。しかし、セバスチャン・ブエミの残留は確実と言われており、残留決定という報道をチーム関係者が認めたとの情報もある。2009年途中参戦のハイメ・アルグエルスアリも残留することが濃厚だ。だが、新たなレッドブル系ドライバーが加入する可能性も否定できない。2009年シーズン序盤にレッドブルとトロ・ロッソのリザーブドライバーを務めたブレンドン・ハートレイがシートを獲得する可能性もある。

カンポス
・ブルーノ・セナ
・未定

カンポスは、ブルーノ・セナと契約を結んだことを発表している。もう1人のドライバーは決定しておらず、さまざまなドライバーの加入がうわさされている。F1経験者としては、ペドロ・デ・ラ・ロサ、マルク・ジェネ、ネルソン・ピケJr.など。GP2でもうわさされているドライバーが多く、ペトロフ、ロルダン・ロドリゲス、ハビエル・ビージャなどの名が挙がっている。

マノー
・ティモ・グロック
・未定

マノーはティモ・グロックの加入が決定している。ルノーのリザーブドライバーを務めていたルーカス・ディ・グラッシもマノーとの交渉を認めており、ディ・グラッシ本人は契約の可能性が高いと語っていた。ウィリアムズを離脱する中嶋一貴は、ユーロF3をマノーで戦っていた。また、ヴァージン・グループがメインスポンサーになるとみられているが、ヴァージン・グループの航空会社、ヴァージン・アトランティックは佐藤琢磨のスポンサーだ。日本人ドライバーがシートを得る可能性もゼロではないチームと言えるだろう。

USF1
・未定
・未定

ドライバーはまだ決定していないが、2010年にUSF1は参戦できないのではないかとの話題がドライバーに関する話題に先行してしまっていた。アレキサンダー・ブルツ、ジャック・ビルヌーブ、フランク・モンタニーがドライバー候補だと言われている。また、チーム代表のケン・アンダーソンは、デ・ラ・ロサが加入する可能性もあると語っていた。

ロータス
・未定
・未定

ロータスは1人のドライバーを契約したと発表したが、もう1人のドライバーと契約してからその名を明かすとしている。契約を結んだのはヤルノ・トゥルーリだとみられるが、トゥルーリ本人はロータスとの契約を否定している。テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは、ファイルーズ・ファウジーがテストドライバーとして加入する可能性が高いと語っていた。可夢偉や中嶋が交渉しているとのうわさもある中、琢磨がロータスとの交渉を認めている。

ザウバー／カドバック
・未定
・未定

トヨタがF1から撤退するため、2010年の参戦が認められるとみられているが、いまだに正式には参戦が認められていない。そのため、ドライバーやスポンサーとは契約できない状態だと言われている。チームが参戦できる場合には、ニック・ハイドフェルドが残留し、リザーブドライバーのクリスチャン・クリエンがレースドライバーへ昇格するとの見方が強い。

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