ブラウンGPのジェンソン・バトンは、いまだにチーム代表のロス・ブラウンと契約の合意に至っていないという。ブラウンは、バトンが世界チャンピオンのままチームを去る可能性もあると示唆している。
鈴鹿でタイトルを獲得する可能性もあったバトンだが、500万ドル(約4億5000万円)に減額された報酬を引き上げる交渉がこう着状態になっているままだ。
バトンは、ブラウンら経営陣によるチーム買収を援助するため、2009年の契約金減額に合意し、宿泊代や渡航費も自分で支払っている。
しかし、バトンのマネジャーであるリチャード・ゴダードは4日(日)、ブラウンGPがわずかな報酬増額以外は何も申し出てこないことに「ショック」を受けていると『Daily Star(デイリー・スター)』紙に語った。
「われわれが欲深いわけではない。昨年、チームにとってすべてがうまくいくのなら、ジェンソンためにもなるだろうと考えて、契約へ署名した」とゴダードは語った。
ブラウンは、もしこのままこう着状態が続けば、11月のアブダビGP後にバトンがチームを去ることもあり得ると示唆した。
「まだ結論は出ていないが、もしわれわれが世界チャンピオンを擁していて、理由はどうあれ、そのチャンピオンがチームを去ることになれば、残念なことだ」とブラウンは語っている。
ブラウンがバトンの報酬増額をためらっている理由は、パドックでのある意見が影響しているようだ。元ドライバーのマーティン・ブランドルによると、シーズン開幕時に強さを見せていたバトンが今は、タイトル獲得への道を「後退している」というのがパドックの認識とのこと。
一方で、『The Times(タイムズ)』紙にはこのような意見が掲載されている。
「派手なシーズン開始だったが、その後、(バトンは)チャンピオンのような勝ち方は自分流ではないと思い、静かにタイトルを獲得する決心をした」
「バトンは世界チャンピオンにふさわしいが、シーズン後半のパフォーマンスが振るわなかったことで、伝説的地位を得るにはまだまだ足りないことが判明した」こう書いているのは『The Independent(インディペンデント)』紙だ。