FIA(国際自動車連盟)会長のマックス・モズレーが後任候補としてジャン・トッドを支持すると公にして以来、F1統括団体の中立性はさらに疑わしいものとなった。
FIAは、モズレーの後継者を指名する内部選挙を23日(金)に控えている。この選挙には、1981年の世界ラリーチャンピオンであるアリ・バタネンも立候補した。
しかしイギリスの『the Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』紙によると、モズレーはフェラーリの元チーム代表であるトッドが選出されるように推し進めている唯一のFIA現職者というわけではなさそうだ。
『the Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』紙は、あるメールの抜粋を掲載。このメールでは、FIAの高官ピーター・ドッグウィラーとFIA財団の高官を務めるデビッド・ウォードが実際にトッドを支持する根回しを行っていることが示されている。
ドッグウィラーから主要な支持者へのメールでは、「ジャンに適切な報告ができるよう、われわれがどこにいるかを確認するために今週に電話をかける予定だ」と書かれている。
ウォードからのメールでは、「より積極的に根回しをする戦略について」話し合ったことが明かされており、トッド政権に関与することが示されている。また、ほかのメールではトッドによる選挙運動発表のファイルが添付されており、文章の修正が求められている。
あるメールはFIA財団のメールアドレスから発信されたものであり、『the Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』紙はチャリティー・コミッション・ダイレクトが「ウォードの行動を歓迎していないことは確実である」と報じた。
一方、有力スポーツ弁護士のオリバー・ハントは、FIAが”中立性の違反”を犯していると述べているようだ。
ハントは次のようにコメントしている。「私はフランスの法律で資格を得ているわけではないが、フランスでの選挙過程で求められる、基本的な法律の必要条件は理解しているつもりだ。私の理解では、中立性の義務が最も重要になるはずだ」