初開催のアブダビGPは、キミ・ライコネンが赤い跳ね馬に乗る最後のグランプリでもある。スクーデリアで成功に満ちた3年間を過ごしたライコネンは、このアブダビGPを最後にチームを離れる。グランプリ前にルカ・ディ・モンテゼモーロ会長は、チームへ大きな貢献をしてくれたライコネンに対し、次のような感謝の言葉を送った。
「キミはフェラーリでの1年目にドライバーズ選手権を制し、2007年と2008年にはコンストラクターズ選手権制覇に貢献したことで、スクーデリアの歴史に名を刻んだ。彼は常に正直で、うそ偽りがなく、忠実だった。われわれは彼のことを忘れない。厳しいものになった今シーズンの最終戦、そして彼にとっての最後のレースで、彼とチームとともに過ごせることをうれしく思っている。いい結果を残せると願おうじゃないか」
2008年の最終戦が行われるヤス・マリーナ・サーキットは、跳ね馬のテーマパーク、フェラーリ・ワールド・アブダビの近くに建設された。20万平方メートル以上の広大な土地に作られているこのテーマパークには、世界最速のローラーコースターなど、20以上のアトラクションがある。このローラーコースターは、最高速が時速200kmを超え、F1のように最大で4.9GものGフォースを感じることができる。アルダー・プロパティーズPJSCによって建設されているこのテーマパークは、ファンや家族連れがイタリアの雰囲気を感じながらフェラーリを経験できるものになっている。ピエロ・フェラーリ副社長も出席した記者会見で、フェラーリの市販車のような形をした屋根が公開されたが、この屋根に描かれているフェラーリのロゴは、世界最大のものである。