多くのF1関係者が、ジェンソン・バトン(ブラウンGP)はマクラーレンへ移籍せずに、ブラウンGPとの昇給交渉を終わらせるべきだと考えている。
ブラウンGPは2010年に向けてバトンの大幅な昇給に応じていないが、13日(金)にはバトンがマクラーレンの本拠地を訪れ、チーム代表のマーティン・ウィットマーシュと会っていた。
マクラーレンはブラウンGPよりも高額のオファーを出しているとみられるが、もしバトンが”カーナンバー1”とともにマクラーレンへ移籍した場合、チームメートは2008年のチャンピオンであるルイス・ハミルトンになる。
「ジェンソンは、ハミルトンが自分のもののようにしているチームへ行くということを、きちんと認識する必要があると思う」ニキ・ラウダは『The Guardian(ガーディアン)』紙へこのように語り、さらに続けた。
「もしお金の条件が同じくらいか、やや少ないくらいでも、ジェンソンはブラウンGPに残るべきだ」
ジャッキー・スチュワートもバトンはマクラーレンに移籍するべきではないと考えており、「虎のすみかに頭を入れるようなもの」だと語っている。
スチュワートはさらに、これと同じ理由で1965年にジム・クラークのチームメートになるというロータスからのオファーを断っていたことを明かした。
「ジミーがかなり強固に地位を固めているように思えた。私には正しいことだとは思えなかったし、ジェンソンのマクラーレン移籍も同じだ」とスチュワートは語っている。
また、メルセデス・ベンツとブラウンGPが2010年からの大規模な提携を発表するともみられており、ブラウンGPがメルセデスの新”ワークス”チームとなり、マクラーレンはエンジン供給を受けるだけになるとの見方もある。
元ドライバーであり、現在は解説者を務めているマーティン・ブランドルは、『Sunday Times(サンデー・タイムズ)』のコラムで次のように書いていた。
「バトンは、どのチームが来年に速いクルマを造れるか水晶玉で占わなければならない」
「ブラウンGPとレッドブルが17戦中14勝していたが、マクラーレンに速さが戻るのか? それとも時代は変わったのか?」
バトンの友人であるデビッド・クルサードは、1995年の終わりにウィリアムズからマクラーレンに移籍していた。しかしその後、グリッド上で最高になるとみられていたクルマではなく、より高額な報酬を選んだことを後悔していると認めた。
「お金を目当てにチームを移って稼ごうとしたわけじゃないけど、勝てるクルマじゃなかったのは明白だね」とクルサードは『Daily Star(デイリー・スター)』紙に語っている。