FIA(国際自動車連盟)会長の座を退くまで数週間となったマックス・モズレーは、次期FIA会長候補のアリ・バタネンに対するネガティブキャンペーンを強化させている。
モズレーは自身の後釜に元フェラーリ代表のジャン・トッドを望んでいると言われており、トッドの対抗馬であるフィンランド出身のバタネンの”侮辱的発言”を非難する文書を発表し、その中で元ラリーチャンピオンのバタネンは間近に迫った選挙で”大敗を喫する”であろうと予想している。
FIAは今や”独裁”状態にあると元欧州議会議員のバタネンが断言したことに対し、モズレーは次のように反論している。
「バタネンが出したような声明を発表することはありえないし、このような批判の的となった者たちには、何を言われたかを忘れることなどできない」と、バタネンの選挙活動でアドバイザーの任を請け負っているヨルダンのファイサル王子に宛(あ)てた書簡の中で、モズレーはつづっている。
「FIAと現在のFIA関係者を侮辱したことだけがその理由ではないが、バタネンが選挙で負けるであろうこと、さらには大敗を喫するであろうことは純然たる事実だ」モズレーがこのようにつづったファイサル王子宛(あ)ての書簡は『The Guardian(ガーディアン)』紙にその内容が掲載された。
この書簡の”当てこすり”に深刻な懸念を表したファイサル王子は、ヨルダンの首都アンマンで行われたモータースポーツ運営機関の会議で、モズレーからの書簡を公開したと伝えられている。